
トゥカド・チュプン滝
トゥカド・チュプン滝
岩の回廊に光が差し込む幻想的な滝。午前の"光の柱"が名物。
バンリ県の深い渓谷の奥深くに隠されたトゥカド・チュプン滝は、近年SNSによって発見され、一躍有名になった神秘的な滝です。この滝が特別なのは、水がオープンな空間に直接落ちるのではなく、洞窟のような岩の回廊の奥に流れ落ち、天井の隙間から太陽の光が差し込むことで、まるで天上から光のシャワーが降り注ぐかのような幻想的な光景が見られる点にあります。駐車場から滝までは、ジャングルの中の階段を下り、川の中を少し歩いてアクセスします。そのアプローチ自体が冒険気分を盛り上げてくれます。洞窟の中に響き渡る水の音と、岩肌を伝う光の筋、そして舞い上がる水しぶきが織りなす光景は、他に類を見ない美しさで、訪れる者を魅了します。
自然:光と水のシンフォニー
この滝のハイライトである「光の柱」は、太陽が空の高い位置に来る午前10時から午後1時頃までの時間帯に最もよく見られます。太陽の光が洞窟の天井の隙間から一直線に差し込み、滝の水しぶきに反射して、スポットライトのような神々しい光の筋を作り出します。この現象は、気象条件や季節によっても左右されるため、見ることができたら非常に幸運です。この滝は、水が岩を削り、光がその空間を演出するという、自然の力が生み出した完璧な舞台装置と言えるでしょう。
アクセスと安全のための注意点
滝にたどり着くには、川の中を歩く必要があるため、濡れても良い服装と、滑りにくいウォーターシューズやスポーツサンダルが必須です。水深は通常くるぶし程度ですが、雨季や雨上がりには水位が上昇することがあります。また、洞窟の中の岩は苔で非常に滑りやすくなっています。足元に十分注意し、ゆっくりと進みましょう。カメラなどの電子機器は、防水バッグに入れるなど、万全の対策が必要です。
文化と信仰
バリの人々にとって、洞窟や泉は、神々や精霊が宿る神聖な場所です。トゥカド・チュプンもまた、単なる景勝地ではなく、浄化の力が宿るスピリチュアルな場所と見なされています。滝の近くには、地元の人々が祈りを捧げるための小さな祠や、チャナン・サリ(お供え物)が置かれていることがあります。この場所の神聖な雰囲気を尊重し、大声で騒いだり、ゴミを残したりしないよう、静かに自然との対話を楽しみましょう。
見どころ(ここをチェック!)
「光の柱」が現れる時間帯を狙って訪れるのがベストですが、それ以外の時間帯でも、洞窟の神秘的な雰囲気は十分に楽しめます。滝の正面だけでなく、少し角度を変えてみると、岩の隙間から流れ込む光の表情が変わり、様々な写真を撮ることができます。滝壺は浅く、水遊びを楽しむこともできますが、水は非常に冷たいです。近隣には、ティブマナの滝やゴア・ガジャ遺跡などもあり、ウブドからの日帰りツアーで組み合わせて訪れるのが人気です。




