
ティブマナの滝
ティブマナの滝
幅広の水幕が真っ直ぐ落ちる端正な滝。参道の椰子並木も名物。
ウブドの東、バンリ県に位置するティブマナの滝は、まるで完璧にデザインされたかのような、端正で美しい姿が魅力の滝です。緑豊かなジャングルに囲まれた窪地の奥、黒い岩肌を幅の広い水のカーテンが真っ直ぐに流れ落ち、その下にはエメラルドグリーンに輝く穏やかな滝壺が広がっています。駐車場から滝までは、椰子の木が並ぶ農道を通り、熱帯植物が生い茂る階段を10分ほど下るだけと、比較的アクセスしやすいのも人気の理由です。雨季には水量が増して二筋の滝(ツインフォール)になることもあり、訪れる時期によって異なる表情を見せてくれます。その静かで神秘的な雰囲気から、「隠れた楽園」とも呼ばれ、心穏やかに自然と向き合いたい人々に愛されています。
自然と伝説
この滝の背後には、小さな洞窟があると伝えられており、古くから聖なる力が宿る場所として信じられてきました。伝説によれば、この洞窟は近隣のゴア・ラジャ寺院まで通じており、神々が通る秘密の道(Jalan Ratu)であるとされています。そのため、この滝壺で泳ぐことは許されていますが、洞窟に近づきすぎることは避けるべきだと考えられています。滝の美しさは、そうした目に見えない世界への畏敬の念と共にあるのです。
アクセスと散策路
滝へと続く道は、近年よく整備されており、子供やお年寄りでも比較的歩きやすいです。道の途中には、竹で作られた橋や、美しい南国の花々が咲いており、滝にたどり着くまでの道のりも楽しむことができます。特に、駐車場から最初の階段を下るまでの間に広がる、椰子の木と水田の風景は非常にフォトジェニックです。滝壺周辺は、水しぶきで岩場が滑りやすくなっているので、足元には注意してください。
楽しみ方とマナー
滝壺は比較的広く、水深も手前は浅いため、水遊びや泳ぐのに最適です。ただし、滝の真下は水の勢いが強く、また上から小石などが落ちてくる可能性もゼロではないため、近づきすぎないようにしましょう。ここは多くの人が訪れる人気のスポットですが、大声で騒いだり、音楽をかけたりせず、静かな自然の音を楽しみましょう。自然環境を守るため、ゴミは必ず持ち帰ってください。
見どころ(ここをチェック!)
滝を正面から見るのが最も一般的ですが、少し角度を変えて、横から光が差し込む様子を撮るのも美しいです。太陽が真上に来る前の、午前中の早い時間帯が、光が柔らかく、滝と周囲の緑をきれいに撮影できるためおすすめです。雨季(12月〜2月頃)に訪れると、水量が増して迫力のある二筋の滝を見られる可能性が高まります。近隣のトゥカド・チュプン滝とは趣が異なるため、時間があれば両方を訪れて、その違いを比べてみるのも面白いでしょう。




