
メンジャンガン島
メンジャンガン島
島北西沖の海中寺院やドロップオフで知られる透明度抜群の海。
バリ島北西沖、西バリ国立公園内に浮かぶメンジャンガン島は、「鹿の島」という名を持つ無人島です。その名は、乾季になると食料を求めてバリ本島から泳いで渡ってくる野生の鹿の群れに由来します。この島の最大の魅力は、その陸地ではなく、周囲に広がる海の中にあります。世界中のダイバーやシュノーケラーが憧れる、驚異的な透明度を誇る海中世界が広がっているのです。特に有名なのが、水深数十メートルまで垂直に落ち込む「ドロップオフ」のダイナミックな地形と、色とりどりのソフトコーラルやハードコーラルが壁一面を覆い尽くす「水中ガーデン」です。流れも穏やかなポイントが多く、初心者から上級者まで、誰もが安心してバリ島最高峰の海を楽しむことができます。
歴史と海中寺院
メンジャンガン島は、古くからヒンドゥー教の聖地として知られてきました。島の北東部には、14世紀にジャワから渡ってきたとされる聖僧を祀る「プラ・グデ・メンジャンガン」などの寺院があり、今も多くの巡礼者が訪れます。また、水深10メートルほどの海底には、ガネーシャ神や寺院の門の石像が沈められた「アンダーウォーター・テンプル」があり、シュノーケリングやダイビングで訪れることができるユニークなスポットとなっています。これは古代遺跡ではなく、サンゴ礁再生のプロジェクトの一環として近年設置されたものですが、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
豊かな海洋生態系
国立公園として厳しく保護されているため、メンジャンガン島周辺のサンゴ礁は非常に健康な状態が保たれており、生物多様性の宝庫となっています。色鮮やかなハナダイやスズメダイの群れ、ウミガメ、そして時にはジンベエザメやマンタといった大物に出会うこともあります。特に「ポストII」と呼ばれるポイントのドロップオフは、巨大なウミウチワや様々な種類のサンゴが見られ、まるで竜宮城のような景観が広がっています。海の美しさを未来に残すため、サンゴを傷つけないよう細心の注意を払いましょう。
アクセスとルール
メンジャンガン島へは、西バリ国立公園内のラブハン・ララン港や、近隣のプムトゥランからボートをチャーターして渡ります。国立公園内にあるため、入園料と公認ガイドの同行が義務付けられています。ツアーに申し込むのが最も一般的で、ボート代、ガイド料、シュノーケルやダイビングの機材レンタル、ランチなどが含まれています。島には宿泊施設や商店はないため、必要なものは全て持参する必要があります。ゴミは必ず持ち帰り、島の自然環境を守ることに協力してください。
見どころ(ここをチェック!)
シュノーケリングでも、ドロップオフの壮大さは十分に体感できます。透明度が高いため、水面に浮かんでいるだけで、吸い込まれそうなほどの青い世界の深淵を覗き込むことができます。ダイビングをするなら、海中寺院や、巨大な洞窟がある「バット・ケイブ」もおすすめです。陸地では、ビーチでのんびり過ごしたり、野生の鹿を探して島内を少し散策したりすることもできます。ただし、日差しが非常に強いので、日焼け対策と水分補給は万全にしてください。

