
ブロークン・ビーチ
ブロークン・ビーチ
円形の湾に岩のアーチが架かる海蝕地形の名所。夕景の陰影が見事。
ヌサ・ペニダ島の西海岸に位置するブロークン・ビーチ(現地名:パシ・ウグ)は、自然の力が数万年かけて創り出した、壮大なスケールの天然の芸術作品です。かつて巨大な海の洞窟だった場所の天井が崩落し、直径100メートルほどの円形の入り江が生まれました。そして、外洋に面した壁の一部がさらに侵食され、巨大なアーチ状の岩の橋が残ったのです。アーチの下からターコイズブルーの海水が穏やかな入り江へと流れ込む光景は、他に類を見ないユニークなものです。崖の上には遊歩道が整備されており、360度のパノラマを楽しみながら、この自然の驚異を様々な角度から眺めることができます。特に、夕暮れ時には、アーチの向こうに沈む夕日が空と海を染め上げ、感動的な風景が広がります。
自然の彫刻:海蝕と崩落の物語
この地形は、石灰岩でできた島が、波の力によって侵食される「海蝕」の典型的な例です。波はまず、岩盤の弱い部分に洞窟(海食洞)を作ります。洞窟が大きくなるにつれて天井は不安定になり、やがて崩落して陥没ドリーネのような地形ができます。ブロークン・ビーチでは、さらにその壁の一部が波に貫通され、天然の橋(ナチュラルブリッジ)が形成されました。この場所は、地球のダイナミックな活動を目の当たりにできる、貴重なジオサイト(地質学的な見どころ)なのです。
楽しみ方と安全のための注意点
崖の上を歩いてアーチの上まで行くことができますが、柵などはなく、強風が吹くこともあるため、足元には最大限の注意が必要です。特に、崖の先端での写真撮影は危険を伴います。安全な場所から景色を楽しむようにしましょう。遊泳はできませんが、崖の上からマンタやウミガメが泳ぐ姿が見られることもあります。双眼鏡を持っていくと、より楽しめるかもしれません。この場所には日差しを遮るものがほとんどないため、帽子や日焼け止め、飲料水は必須です。
見どころ(ここをチェック!)
ブロークン・ビーチのすぐ隣には、もう一つの絶景スポット「エンジェルズ・ビラボン」があります。徒歩数分で行き来できるので、必ずセットで訪れましょう。ブロークン・ビーチのアーチを最も美しく写真に収めることができるのは、アーチの真向かいにあたる崖の上です。広角レンズを使うと、円形の入り江の全体像とアーチを一枚の写真に収めることができます。また、ドローンでの空撮スポットとしても非常に人気があります(飛行ルールには注意)。



