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ブサキ寺院 - 1

ブサキ寺院

寺院寺院信仰山岳
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ブサキ寺院

寺院寺院信仰山岳

アグン山麓に広がる“母寺”。23の寺院群が山へ向かう軸線上に連なる巨大聖域。

バリ最高峰の聖なる山、アグン山の標高約1,000メートルの中腹に広がるブサキ寺院は、バリ・ヒンドゥー教の総本山であり、「母なる寺院」と称される最も重要で広大な寺院です。その起源は8世紀以前の巨石信仰にまで遡るとも言われ、一つの寺院ではなく、氏族やカースト、職業など、バリ社会のあらゆる集団に対応する大小30以上の寺院からなる複合寺院となっています。中心となるのは、シヴァヴィシュヌブラフマーのヒンドゥー三神を祀るプナタラン・アグン寺院。そこから山頂へと続く参道に沿って、数々の寺院が階段状に配置されています。この壮大な配置は、神々が住まう山へと向かうバリの人々の宇宙観そのものを体現しています。島全体の安寧を祈る場所であり、バリ・ヒンドゥー教徒にとって生涯に一度は訪れたいと願う、魂の故郷のような聖地です。

歴史:噴火を乗り越えた奇跡の寺

ブサキ寺院は、古代ジャワから渡来した高僧が瞑想の場として開いたのが始まりとされています。15世紀にゲルゲル王国がバリを統一すると、国家の宗廟として位置づけられ、その威容が整えられました。特筆すべきは、1963年のアグン山大噴火の際、溶岩流が寺院の寸前で二手に分かれ、奇跡的に壊滅を免れたことです。この出来事は、神々が寺院を守った証とされ、ブサキの神聖さを不動のものとしました。この寺院の歴史は、バリの人々が自然の脅威と共に生き、祈りを捧げ続けてきた歴史そのものです。

文化:バリ社会の縮図

ブサキ寺院が「母なる寺院」と呼ばれるのは、バリ島に住むほぼ全てのヒンドゥー教徒が、自分たちの家系や出身地に対応する寺院をこの複合体の中に見出すことができるからです。様々な氏族の寺(Pura Pedharman)や、地域の寺(Pura Dadia)などが集まっており、ブサキ寺院はまさにバリ社会の縮図と言えます。年に一度行われる最大の祭礼「ベタラ・トゥルン・カベ」の際には、島中から人々が集まり、それぞれの寺院に祈りを捧げます。その光景は、バリ社会の多様性と統合を象徴しています。

参拝の作法と必須ルール

ブサキは極めて神聖な場所であるため、観光客にも厳格なルールが適用されます。サロン(腰布)とスレンダン(帯)の着用は必須です(入り口でレンタル可)。寺院の内部、特に祈りを捧げる内苑(ウタマ・マンダラ)への立ち入りは、ヒンドゥー教徒以外は固く禁じられています。公式ガイドの同行が義務付けられており、彼らの指示に従って見学ルートを歩きます。祈りを捧げている人々の前を横切ったり、カメラを向けたりすることは絶対に避けてください。生理中の女性は聖域に入れません。

見どころ(ここをチェック!)

中心寺院であるプナタラン・アグン寺院へと続く長い石段が、最も見どころです。階段下から見上げる、空へと続くような割れ門の構図は圧巻です。階段の途中から振り返ると、眼下に広がる景色と遠くの海を望むことができます。天気が良ければ、背景にアグン山の山頂が見え、その神々しい姿に誰もが畏敬の念を抱くでしょう。多くの寺院は外から眺めるだけになりますが、それぞれのメル(多重塔)や祠の建築様式の違いに注目するのも興味深いです。

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基本情報

  • 📍住所Besakih, Rendang, Karangasem, Bali
  • 営業時間08:00–18:00
  • 🚫定休日無休(祭礼時制限)
  • 💰料金大人150,000IDR(サロン込)
  • 🚗アクセス
    • ウブドから車で約1.5–2時間
    • 参道入口でチケット購入
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ブサキ寺院 | Balitra(バリトラ)| バリ島総合観光ガイド