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バビグリン - 1

バビグリン

料理人気豚肉ローカル料理
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バビグリン

料理人気豚肉ローカル料理

スパイスを効かせた豚の丸焼き。行列店は昼前に売切れ注意。

インドネシアの中でもヒンドゥー教徒が大多数を占めるバリ島で、宗教的な儀式や祝いの席に欠かせない、まさに”ごちそう”の代名詞。豚一頭に「バソ・グデ(Base Gede)」と呼ばれる伝統的なスパイスミックスをたっぷりと詰め込み、直火の上でゆっくりと時間をかけて回転させながら焼き上げます。その皮はパリパリと香ばしく、中の肉は驚くほどジューシーで柔らか。スパイスの複雑な香りが肉の旨味を最大限に引き立て、一度食べたら忘れられない強烈な美食体験を約束してくれます。バリを訪れたなら絶対に外すことのできない、島の誇りが詰まった一皿です。

バビグリンの歴史と文化的背景

イスラム教徒が国民の大多数を占めるインドネシアにおいて、豚肉料理であるバビグリンは極めて特別な存在です。その起源は、バリ・ヒンドゥーの儀式「タブー・ラ(Tabuh Rah)」にあり、神々への捧げものとして豚が屠られ、清められた後に調理されてきました。神聖な儀式料理であったため、かつてはコミュニティ全体で共有される特別な機会にしか食べられませんでした。しかし、その圧倒的な美味しさが評判を呼び、今ではワルンで観光客も気軽に楽しめるバリ島を代表する名物料理へと進化を遂げたのです。それでもなお、バビグリンはバリの人々の信仰と文化に深く根付いた、単なる料理を超えた魂の食べ物(ソウルフード)であり続けています。一皿の中に、バリの歴史と人々の祈りが溶け込んでいるのです。

一頭まるごと!ごちそうの作り方

バビグリンの調理は、その名の通り豚をグリン(回転)させながら焼いて調理します。まず主役となる豚に、バリの伝統的な万能調味料「バソ・グデ(Base Gede)」をベースにした、ウコンコリアンダーレモングラスガランガル、唐辛子、エビペーストなどを調合した特製のスパイスペーストをお腹の中に隙間なく詰め込みます。これが肉の臭みを消し、奥深い風味を与える心臓部となります。外皮にはウコンを丁寧に刷り込み、焼き上がりの美しい黄金色を引き出します。準備が整うと、豚を一本の長い棒に突き刺し、燃え盛る炭火の上で数時間、熟練の職人がつきっきりで、文字通り手で回転させながらじっくりと火を通していきます。この根気のいる作業によって余分な脂が落ち、皮はパリパリに、肉は驚くほど柔らかくジューシーに仕上がるのです。

調理法とスパイスの秘密

バビグリンの味の決め手は、バリ料理の魂とも言えるスパイスペースト「バソ・グデ(Base Gede)」の存在です。各家庭やワルン(食堂)ごとに秘伝のレシピがあり、その配合が店の個性を決定づけます。基本的な材料は、ニンニク、赤玉ねぎ、唐辛子、ショウガ、ウコンガランガルキャンドルナッツコリアンダーシード、胡椒、エビペーストなど、十数種類にも及びます。これらをすべて石臼で丁寧にすり潰し、ペースト状にしてから使用します。火にかけることでこれらのスパイスの香りが一体となり、豚肉の旨味と脂の甘みを最大限に引き立てます。さらに、滴り落ちる脂が炭火で燻されることで生まれるスモーキーな香りが、肉全体をコーティング。これが、家庭では決して真似のできない、専門店のバビグリンが持つ抗いがたい魅力の源泉となっているのです。

美味しい食べ方と付け合わせ

ワルンでバビグリンを頼むと、通常はご飯の上におかずが盛られた「ナシ・バビグリン」として提供されます。この一皿が、まさに豚のオールスター。主役はもちろん、ジューシーな肉と、パリパリに焼かれた黄金色の皮。これだけでも絶品ですが、脇を固める名優たちがさらに満足度を高めます。豚の血や内臓を使ったスパイシーなソーセージ「ウルタン」、カリカリに揚げられた内臓のチップス、野菜とスパイスを和えた「ラワール」など、店ごとに趣向を凝らした付け合わせが満載です。これらを混ぜ合わせながら、フレッシュな辛さがたまらない「サンバル・マタ(Sambal Matah)」を絡めて食べれば、口の中で旨味と食感の交響曲が奏でられます。ローカルは手で混ぜて食べるのが一番美味しいと言います。勇気があればぜひ挑戦してみてください。

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Category
料理
Tags
豚肉ローカル料理
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バビグリン | Balitra(バリトラ)| バリ島総合観光ガイド